TEL. 043-253-8760
〒263-0043 千葉市稲毛区小仲台6-18-1-1009
活動スタート当時のキャッチフレーズは「今こそ築こう!医療・看護・介護ネットワークのモデル都市・大連」。それと、「訪問介護用入浴介護車輌一台」を準備。 “たかが一台、されど一台”ではあるが、これこそが「医療・看護・介護ネットワークの原点」となる強い思いを込めてスタートした。 早ければ、半年~1年以内には「富裕層老人被介護有効需要(後述第Ⅲ項参照)」把握を第一義目標達成させ、その後プロジェクトの本格的展開をはかる予定であったのだが・・・、 実はスタート時点、思いがけない事態の発生により活動中断余儀なくされた(クリック1)。気がつけば7年有余が経過していた。
この間、活動の行く手に立ちはだかっていた得体の知れない「大きな壁の正体」が、漸く見えてきた。自ずとそれを乗り越える道筋も見えてくる。そして提言実現の糸口を掴むことが出来た。あとは実行あるのみ。
かたやこの間、世界情勢は大きく変換していた。08年のリーマンショック以降、世界経済が低迷する中、中国はいち早く4兆元(52兆円相当)の財政出動により、外需依存から内需振興へ政策を大きく転換したことにより、 すでに中国は国内経済を立て直し、いまや世界経済牽引の役割を果たしている。
内需振興政策は鉄道・道路交通インフラから、環境、エネルギー等、各分野まで幅広く実施されており、発展を更に加速させている。しかし一方、環境破壊、貧富の格差拡大、不正・腐敗の蔓延など、 発展から取り残された陰の部分が顕在化している。中国各地ではこの政策の一環として「にわかづくりの老人ホーム」建設ラッシュが見られるまでになった。
しかし、ここで特記すべきは、介護福祉分野についてだけ見れば、これはあくまで一時的財政支援による「対症療法的措置」に過ぎない。 中国が目指すべきは「究極の持続可能な老人介護福祉制度」(クリック2)でなければならない。例えば、日本の「国民皆保険制度」のように、一枚の保険証明書さえあれば、誰でも、何処でも、何時でも病院で診察・治療が受けられる様な・・・。 果たして、人口13億人・中国にその様な未来像を描くことが出来るのか? 現実は一刻の猶予も許されない状況にある。
この様な状況下、更新版・「中国・未来の老人介護福祉」として、広く日本及び中国関係方面へアピールし、下記新提言・「新展開シナリオ」主旨への理解と協力を仰ぎ、総力を結集して参りたい。
現代社会(世界情勢)では、経済、科学、文化、エネルギー、環境、交通・通信、医療・福祉、生活、・・・等あらゆる分野でグローバル化が進む。その影響は、日本はもとより中国を含む北東・東南アジア諸国においてもその例外ではない。
本来、構図構成要素Ⅰ・(提言「中国・未来の老人介護福祉」)は、構図に示す様に日中経済交流圏(経済規模20~30兆円規模/年)を背景にして構想したものであるので、当然のことながら構図構成要素Ⅱ,Ⅲ(日本及び中国の社会的背景とその変遷)
と密接に関連するが、更に構図構成要素Ⅳ(ASEANの社会的背景とその変遷)とも関連する。
そして、構図構成要素Ⅴ(提言実現のカギ A,B)が必須要件であることを示す。全ての構成要素Ⅰ~Ⅵは提言実現する上では、相互に密接に関与しており、最早、個別の問題として論じ得ない。
このような視点に立ち、これ等構成要素の係わりが如何なる ものであるかを考察し、今後の進むべき道筋について、その方向性を明確にして、関係方面へ問題提起する。
提言を実現するための活動を中断した事情は、冒頭に述べた通り。当時、活動の第一歩は「富裕層老人被介護有効需要」を把握することであったが、この間の中国経済の急激な成長によって、あらゆる経済動向指数が、これら有効需要の存在を確実に
裏付けており、改めて調べるまでもない。即ち、既に本格的プロジェクト展開局面を迎えていることを示す。
この機会に改めて、本提言の果たすべき役割とは何かについて考察・確認するために、以下に示す「中国・介護福祉元年概念図表編」(クリック2)としてHPを更新した。更新に当たっては、旧HPの主要キーワードを引用した。
政治:
半世紀ぶりに歴史的政権交代が行われたが,半年余りで早くも民主党新政権の行方に赤信号が点滅しはじめ、1年半を経過したが、この間に稚拙な政権運営を露呈してしまい、国民の信頼を失ってしまった。新政権の唯一の得点をあげるならば、
「税金の無駄使い」を切り口にした所謂「事業仕分け」であった。これにより独立行政法人、公益法人への官僚の天下りによる壮大な無駄使いが曝け出されて、国民の大喝采をあびることなった。単なるパフォーマンスと揶揄されながらも・・・、
「怪我の功名」と言うべきか。
かたや、かつての政権与党・自民党は所謂“族議員”や、その他圧力団体の抵抗もあってか、パフォーマンスのひとつすらやれずに、さぞかし地団駄踏んだことであろう。半世紀余り、政・官・業の癒着構造にどっぷりつかってきた野党・自民党からは
時代の閉塞感を打ち破るだけの気概・エネルギーは感じ取れない。解党的出直しをしない限り、このままでは民主党に代わる受け皿にもなり得ない。第三極を目指す新しい政党出現たけなわの折柄、世論は政界大再編歓迎ムードにある。今こそ国民一人ひとりが、
政治に対して、しっかりした監視の目を向けなければならない。
経済:
「失はれた10年、否20年」と言われ続ける中、デフレから脱却できず、低迷する日本経済をとりまく環境は一変した。1990年代以降「フルセット型産業構造」は完全に空洞化して、最早、「物づくり世界の工場」の地位は、安い労働力を背景として
急速に発展した中国を中心とするアジア地域諸国に取って代わられている。更には、国民所得向上に伴い「世界の巨大市場」へと変貌しつつある。
かたや日本経済は増大する国家財政赤字、超少子高齢化社会の到来による縮小する国内市場、長期的経済成長戦略構想の実現は容易ではなく、展望は開けていない。
社会:
「老人介護保険制度誕生10周年」その生い立ちと現状:
世界的快挙といわれる同保険制度は、その生い立ちを辿れば幸運に恵まれた偶然の産物であったことが分かる。
そもそも制度の原資となったものは、今から半世紀前、私達若者が大学を出てサラリーマンになったばかりの頃、安月給袋から天引き(源泉徴収)されていたもの。
これを当時の若者達は税金だから仕方ないと思い込んでいたが、実は医療・年金保険料の名目であった。一枚の保険証明書さえあれば、誰でも、何処でも、何時でも、病院で診察・治療をうけることが出来る。
世界的快挙と言われる所以である。本当に有難味が分かったのは、定年退職を迎える年頃のことであった。その保険料が原資となって後に、失業保険制度、年金制度へ運用され、そして結果的に老人介護保険制度として誕生したものであった。
この間、日本経済は戦後の荒廃からの復興、新幹線開通、東京オリンピック開催(1964年)、大阪万博開催(1970年)、そして高度経済成長達成へと続いたのであった。幸運にも恵まれた、偶然の産物といわれる所以である。(クリック12)
ここで特筆すべきは、世界的快挙と言われるこの制度誕生の裏側の事情を忘れてはならない。因みに採算を度外視した豪華なホテルまがいの「グリーンピア」に象徴される保養施設建設等の不祥事にはじまり、更には所謂「消えた年金問題(5千万件とも言われる
その実態は未だに正確に掴めていない)」として当時の所轄官庁・社会保険庁不祥事々件が日本国民の前に大きく曝け出されたのは、ついぞ2~3年前のことである。不正が長年に亘り組織的に行われた事と、組織の隠蔽体質に起因するもので、組織の大改革が
行われたことは言うまでもない。
深刻化する介護現場人手不足の実情:
原因は超少子高齢化社会に入り、介護費増大による財政圧迫、それによる介護報酬費削減、更には所謂、3K(きつい・きけん・きたない)職種といわれる職業柄、そのうえ低賃金よる離職率の高さ等が要因として考えられる。
介護現場の人手不足対策として現在、日本とフィリッピン及びインドネシアとの各2国間経済連携協定(EPA)に基づいて、外国人材による日本の看護・介護現場の支援策が実施されているが、国(厚生労働省所管)は何等ビジョンを示すことなく、
外国人材の育成・支援は全て現場(施設・病院)へ丸投げしており、外国人材活用の展望は開けていない。これは正に、受入国(日本)と送り出し国(フィリッピン、インドネシア)との需要と供給のミスマッチ以外の何物でもない。この実情は今日、
マスコミでも大きく取上げられる事態となった。(クリック7)
毎年約1,3兆円増加する社会保障費の実情:
今年度は27,3兆円で一般会計の約3割を占める。既に介護、基礎年金、高齢者医療に消費税を充てているが、その規模は6,8%でしかない。不足する社会保障費をまかなうため、現行の消費税率5%を 10%にアップすることが国民的議論になり始めている。(クリック13)
北京オリンピックに続き目下、上海万博開催中の中国は、今年中には日本を抜き、GDP(約500兆円超)世界第2位になることが確実視されている。目覚しい発展を遂げる中国の今の姿をみるにつけ、40年前の日本の姿、それは東京オリンピック
(1964年)、大阪万博(1970年)、その後の高度経済成長時代を迎えていた当時を思い浮かべる。光があれば必ず陰がある。かつての日本がそうであったように。
中国では今日、光と陰が顕在化していることも事実である。所謂、どんぶり勘定的に見れば光の部分しか見えてこないが、陰の部分が深刻な状況にあり、今や経済大国・中国、そして人口13億人・中国の今後は全く未曾有な体験(未知の分野)が待ちうけている。
直近の改革解放の流れを概括すると、1993年・江沢民元主席、朱容基元首相が行った所謂、三大改革*国有企業改革*金融改革*政府行政改革。これに続いて、2003年・胡錦濤主席、温家宝首相が行った追加的政策、つまり急速な成長に伴う社会的歪を解消
するための和諧政策・・・等、解決すべき重要政策課題の進捗状況は未だ序章に過ぎない。
この点については、折りしも今般(5月末)、温家宝中国々家首相が来日の際、いみじくもテレビのインタビュウや講演会の席上で述べられていた。“GDPは世界第二位にはなるが国民一人当たりでは日本人は4万ドルに対して、中国人は3700ドル。
10分の1に過ぎない。経済発展の陰で、著しい所得格差拡大問題が地域や個人レベルの間に生じている。因みに大学卒業生の1/5(人)が、総数では100万人が就職できない状況にある。・・・この様な状況の中で、発展を維持しながら拡大する貧富の格差等、
社会の歪を是正することが中国々家にとって大きな課題になっている。中国が所謂、先進国へ仲間入りするには後、100年掛かる等・・・。”と日本国民に向かって強く訴えていたことが印象的だった。(クリック25)
「中国・未来の老人介護福祉」分野に限定してみれば、日本は東京オリンピック、大阪万博当時は、既に「国民皆保険制度」が実施運用されており、それが後に「老人介護保険制度」誕生へと運用された経緯は前述の通り。
米国でさえ、今年漸く,オバマ大統領の主導により「国民皆保険制度」制定のための議会対策の目鼻がつくまでにこぎつけたのが実情。(クリック16) 果たして、中国において日本と同様な「老人介護保険制度」誕生が期待できるのであろうか?結論的に言えば、 それは不可である。その根本理由は、(A)永年に亘る漸進的改革手法による矛盾を抱え込んだ現行制度。(B)拡大しすぎた経済的貧富の格差の現状。(C)全国的に蔓延した不正・腐敗・汚職の現状。(D)適正な人口ピラミッド構造の崩壊。この4点に要約され
よう。この様な状況では日本と同様、「幸運による、偶然の産物」を期待することは出来ない。
中国がとるべき選択肢は自ずと限定されている。即ち、矛盾を抱え込んでいる現行制度の改革は事実上不可能。「悪夢の再来・文化大革命」でもやらない限り・・・。しかるに、発想の転換による、現行制度と併存してこれを補足補完し得る、全く新しい社会保障 制度の仕組みを作り出す以外に選択肢は残されていない。
因みに、日本の今年度社会保障費・27,3兆円と単純比較すれば、13億人の中国では10倍の273兆円相当の巨額費用(中国GDP約500兆円超の過半数相当額)が必要となる。(クリック13)
a ASEANとは:
加盟国:ミヤンマー、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、カンボジア、ラオス、 ベトナム、
フィリピン、ボルネイ
総人口:6億7千万人。ASEAN憲章制定準備。ASEAN地域の経済一体化を進めるため、2015年を目標に憲章制定準備中。これにより、より広い地域統合の核としての地位を確保することを意図する。
インドネシアの特色:人口=2億3千万人口のASEAN第1位、そして資源大国、 安い労働力を背景にして「物づくり世界の工場」としても経済発展している。
フィリピンの特色:海外派遣労働者所得は現在、国民総生産・GNPの13%をしめるまでに成長し、国の経済を支えている異色的存在。派遣先は日本だけではなく世界各国に及ぶ。(クリック23)
b 東アジア共同体構想問題の背景:
ASEAN首脳会議は今年秋には、東アジアサミット(EAS)への米国とロシアの参加を認める方針を決定した。これにより、既に参加している日中韓それにインドを含め、中南米を除く太平洋地域の大国が勢ぞろいする
ことになる。EASの役割(目的)は「東アジア共同体構想」の可能性を探ることにある。共同体のメンバーは最終的には決定していないが、少なくともASEAN(10)+日中韓(3)が中心となることが予想されている。
東シナ海をめぐる漁業権、石油採掘権の中国とASEANの確執:
東シナ海シーレーンをめぐる中国海軍勢力増大に対するASEANとの確執:
シーレーンの安全確保は日中韓にとっても最重要問題であるが、シンガポール、ベトナムでは中国海軍勢力増大に対抗上、潜水艦を調達(ロシア)する「軍拡競争」が既に始まっている。
ASEAN経済発展と大中華圏化への警戒感(ジレンマ):
世界金融危機をいち早く乗り越えて今や、世界経済を牽引する中国と共に経済発展するASEAN。中でもインドネシア、マレーシアには中国系住民(華人)が多くすんでいるが、多数派を占める非華人には根強い警戒感もある。
日本が「失はれた10年~20年」と言われている間に、この地域の経済事情は一変している。果たして日本は、同地域の繁栄と安定のために貢献しえるか、その資格が問われるところ。
c ロシア、アメリカが参加する背景:
世界人口68億人の中,ほぼ20億人を占める北東・東南アジア市場。もしインドを含めれば30億人。世界人口のほぼ半数に達し、アジアマネーに沸く巨大市場となっており、ロシア、アメリカにとって共に無関心ではおれない。
ロシア側の事情:資源大国として、ロシア外交の源泉であるガスプロム(天然ガス供給事業)が劇的転換を迫られた。即ち従来、欧州全域が依存していたロシアガスプロムが安い液化天然ガス(生産国カタール)に取って代わられ、半減した経済的影響力は必然的に
極東方面に振り向けることを余儀なくされる。
アメリカの事情:世界のマネーを呼び込み、アメリカ経済を支え続けた旺盛な消費経済はサブプライムローンに行き詰まり、リーマンショックで破綻した。従来のヘッジファンドによるトリッキーな金融商品から、堅実な物づくり経済体制へ移行するには、
当然の事ながら、アジア地域市場を新たに開拓するため多極化指向せざるをえない。
所謂「寝たきり老人」が既に推定1000万人を超えるとされる中国において、そもそも介護福祉分野の人材を育成するための専門学校(高校・大学)が未だに存在しなと言うこの現実は、介護現場の環境インフラ整備問題が経済発展から取り残されていることを、
端的に示す象徴的な事例である。このような状況にある中国にとって、首記計画が少なくとも、当面10~20年間はベストな選択肢であることを問題提起するもの。
日本に数多ある介護福祉専門学校は10年前「老人介護福祉制度」発足とともに設立されたもの。ここには貴重にして膨大な「臨床データベースの宝の山」がある。たとえ首記計画の3万人/10年間の留学生でも学習・習得しきれるものではない。
日本と同様な「老人介護福祉制度」が存在しない中国に専門学校が存在しないのは当然。「日本の先進的介護サービス・ノウハウ」を学んだ彼等3万人が、将来の中国介護現場の幹部・指導者として次代の「介護福祉専門要員」(推定約1,000万人)の育成指導を担うことを意味する。「底が抜けたバケツ」状態の現行制度(クリック2―❷)の延長線上には最早、日本と同様な「老人介護保険制度」は期待することはできない。現行制度を補完する「新しい仕組みの創設」のグランドデザイン提示が急務となる所以。
因みに、「寝たきり老人」1000万人に対応するために必要な介護福祉専門要員数は、単純計算すれば(前者:後者=1:1の場合)1000万人となる。これを実施するためのキャッチフレーズは「ソフト優先、ハード従属」(クリック2-➑参照)。 即ち資金さえあればハード(施設・機器)はいつでも調達可能なこと。ソフト(人材育成)には時間がかかることを意味する。被介護者老人は加齢と共に100人100様の病状を抱えており、彼等に付き添い介護(身体・生活)するには幅広い専門知識と、
これに加えて忍耐・労苦(心身とも)が求められる。
目前に迫った少子高齢化社会・中国では、一人っ子政策によって、その影響は更に加速する。伝統的大家族主義から核家族化への移行、生活様式の変化、価値観の多様化・・・等によって、これまでの伝統的儒教思想の影響による「家族が年老いた親の介護世話する」 、この社会通念に限界があることは明白。「親の介護世話は家族だけで支えるのではなく、社会で支える」と言う、新しい社会通念の醸成が必要となる。
以上、中国の介護現場環境インフラ整備問題に関する最優先すべき要件は、首記人材育成計画に沿って「先進的介護福祉サービスノウハウ・(日本の「介護」サービス・ブランド)」を吸収することにある。
かたや、日本の介護現場では人手不足が深刻な問題にあることは前述(第2項参照)の通り。しかしこれは、日中間の介護現場が共有して抱える問題の本質ではない。なぜならそれは、日本独自の努力によって解決出来ることでもあり、またそうしなければならない。
介護報酬費の増額・待遇改善等の採るべき対策等によって。
問題の本質は、このままでは日本が保有する折角の「宝の山」(貴重にして膨大なデータベース)を「宝の持ち腐れ」にしてしまうことにあり、これは日本と中国の双方にとって共通する介護現場の人材育成需給のミスマッチ以外の何物でもない。
日中戦略的互恵関係を築く間柄にあっては、このミスマッチを解消する努力をしなければならない。
ミスマッチの最大要因は以下の2点に要約される。
a 日本側が抱える問題点:
「出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号」に関する外国人材就労に関する法務省法令。(クリック8) 法令によると、医師・歯科医師・助産師・看護師…等14職種が就労認可の対象になっているが、「介護」職種だけは例外的に認可の対象から除外されて
いる。この現状を補うためにフィリピン及びインドネシア両国とEPA締結した機会にフィリピン・インドネシア人の介護師受け入れの制度が発足したことは前述の通り。
結果的に中国人留学生の場合は、日本人と同一条件のもとでならば介護師国家試験(2級職)の受験資格を取得することは出来る(クリック11)。しかし仮に試験に合格しても就労は認可されないという、何とも奇妙極まりない法令が適用される結果となる。 時代の要請は早急に「介護」職種を前述法令に追加改正するか、或いは日中間EPA・FTAを早期締結するしかない。
b 中国が抱える問題点:
未だに介護福祉分野の人材を育成するための専門学校が存在しないと言う実態は、中国・介護現場環境インフラ整備に関する根源的問題(クリック3)。「ゆりかごから墓場まで」を標榜してきた中国社会主義・・・は今、何処へ行ったのであろうか? 更新版・提言「中国・未来の老人介護福祉」は、私からの中国(中央)政府へのメッセージである。
上記2点、これこそが従来、提言を実現する上で障害となってきたもの。本章冒頭に述べた「得体の知れない壁の正体」とはこの2点を指す。即ち「日中間の介護人材育成需給ミスマッチ」の根本要因そのものである。「たかがミスマッチ、されどミスマッチ」。
この壁の正体に気づいたのは昨年4月になってのこと。日本のいくつかの介護福祉専門学校の関係者と意見交換する機会が契機となって・・・。思いおこせばこの7年有余の間、かけがえのない体験をすることができた。自然と、「この壁」を乗り越える道筋も
見えてくる。提言実現のキャッチフレーズ・「日中間の介護人材育成需給ミスマッチの解消」を目指して実行あるのみ。(後述第Ⅵ項・総括参照)
a 活動組織母体設立の意義・理念 第一義的には、前述第4項・提言実現の糸口・キャッチフレーズ「日中間の介護人材需給ミスマッチの解消」にあるが、広義的には以下の通り。
リーマンショック以降、欧米、日本が経済低迷する中、中国をはじめ北東・東南アジア諸国が世界経済を牽引する情勢にある。 同時に、発展から取り残された陰の部分も顕在化しており、本章で注目すべきは、これ等地域に共通する貧富の格差拡大問題、
即ち国民の大半を占める経済的弱者のための社会福祉環境インフラ整備問題である。
現代社会(世界情勢)においては、あらゆる分野でグローバル化が急速に進んでおり、既存の国際機関(国連・UN,国際貿易機構・WTO、國際経済協力機構・OECD、國際金融基金・IMF、國際保健機構・WHO・・・等)に代わって、国と国の枠組みを
超えて対応することができる新しい形の組織の存在を求める時代の要請がある。首記活動組織母体設立の目的はこの時代の要請に応えるもの。
今や、これ等アジア地域の人口は世界人口63億人の中、20億人を占める。更にインドを加えれば世界人口の過半数に及ぶ。 日本は幸運にも「老人介護保険制度誕生10周年」を経て、貴重な体験をすることが出来たが、この体験を生かして経済発展から
取り残された、これ等アジア地域の社会福祉環境インフラ整備問題に特化して貢献することを目的とする。
b 事業形態:社会貢献事業(非政府民間非営利活動組織・基金)。
■ 社会貢献事業の特色:所謂、社会問題の解決と安定した収益確保を両立させることにある。発展途上国支援には政府やNGOだけでなく、企業を如何に係わらせることが出来るかが、最大の課題と されている。つまり、如何にして利益をあげながら社会に貢献するビジネスモデルを構築することにある。近年、注目されはじめた事業形態(クリック5-1・クリック5-2)。
■ 事業主体に求められる必須要件:
日中経済交流圏(前述、新展開シナリオイメージ構図Ⅰ)では投資リスク数億円単位は日常茶飯事、中には数百~千億円単位にのぼるプロジェクト案件もある。しかし提唱する「活動組織母体」に求められる必須要件は単なる「投資金額の多寡」の問題ではない。 それは、広くアジア諸国と共有し得る「事業理念」と「実績に基づく信頼関係」こそ、その必須要件となる。
c 事業運営: 日本は国内での成長余地が限られており、アジアの国々の経済発展に貢献し、一緒に成長してゆくことは、我国の国家成長戦略と合致する。日本は技術、経験、資金、全ての面でアジア諸国の社会福祉環境インフラ整備の需要に応えられる。
(クリック6)
事業運営の詳細は後述第(四)章総括・提言実現具体化工程概要イメージ構図参照。
提言実現の糸口・キャッチフレーズ「日中間の介護現場人材育成需給ミスマッチの解消」とは、日本の先進的介護福祉サービスノウハウの膨大なデータベース(宝の山)と中国の介護現場人材育成需要とをマッチングさせることである。これにより日中経済
交流圏(新展開シナリオイメージ構図Ⅰ)の市場メカニズム(需要=供給+利益)が自然と機能始める。
■ 需要の条件(中国側):「介護分野」学習・研修の日本留学を動機づける。
前述の通り、介護福祉分野の専門学校が存在しない中国の現状では、介護福祉分野の学習・研修に意欲を示す学生は皆無、僅かの例外を除いて。そこで先ず、「日本の先進的介護福祉」
を学習・研修することの社会的意義を理解させるために、提言「中国・未来の老人介護福祉」を推進するための、新しい事業分野のグランドデザインを示し、将来、その分野の幹部・指導者になり得る道筋を示す(クリック3-(二)-2)。彼らにとっては新たな選択分野の出現であり、
日本留学を動機づけることが出来る。そして多くの優秀な学生を募ることが充分期待できる。
■ 供給の条件(日本側):「日本の先進的介護福祉サービスノウハウ」を提供する。
経済発展の陰で立ち遅れている「介護福祉現場の環境インフラ整備」問題は、中国をはじめアジア地域諸国に共通する課題。これ等地域の強い要請さえあれば、この課題に対しては日本には「介護」サービスノウハウの「宝の山」が備わっており、供給態勢に問題はない
。 奇しくも、2008年度福田内閣にて策定された「留学生30万人計画」骨子(クリック24)同時並行的に展開し、相乗効果を引き出さなければならない。
■ 利益の条件:利益=需要-供給の条件を引き出す。
国民所得向上と共に生活水準も向上し有効需要は増大する。そして日中経済交流圏市場メカニズムの利益を生み出す既存の条件は整う。 必要経費を除く利益の全てを原資として再投資にまわし、「社会福祉環境インフラ整備」に特化して社会貢献事業を推進する。日本の関係方面の総力を結集することが出来れば
実現可能。
尚、活動展開の詳細は下記「提言実現の具体化工程概要イメージ構図」を参照。
項目 | 目的・役割 | 主要活動 | |
---|---|---|---|
■「介護」サービスブランド・チーム日本メンバーを結成するためのコーディネーター。 |
「社会福祉環境インフラ整備問題」は、正に巨大な社会インフラ建設プロジェクトである。個別企業の努力だけでは、労多くして益少ない。所詮、徒労に帰する。なお一層の日中戦略的互恵関係を推進する立場から、更新版HPを通して、以下主要3点の意義をアピールする。 ■ 提言実現の糸口・キャッチフレーズ「日中間における介護現場人材育成需給ミスマッチの解消」。 ■現行「出入管法」改正問題推進。 ■ チーム日本の活動組織母体(核)・(仮称)アジア福祉開発機構設立提唱。 |
||
■「介護」サービスブランド・チーム日本の活動組織母体(核)として発足する。 ■第一義: 当面、著しい経済発展から取り残された「社会福祉環境インフラ整備問題」は中国をはじめASEANに 共通する問題。この問題に特化して対応するために社会問題の解決と安定した収益確保の両立を目指す 「社会貢献事業・PFI推進」(新ビジネスモデル)を立ち上げる。 ■広義: 将来的には、既存の国際機関(UN,WTO,OECD,IMF,WHO・・・等)に代わる新しい国際機関と して、グローバル化時代の要請に応える。 |
■介護福祉サービスノウハウ・「(ソフト)+(ハード)」を一体化した所謂・「日本の介護福祉サービス文化」全般を中国はじめASEANへアピールする窓口。 ■チーム日本の活動組織母体設立構想主旨に賛同する関係者(民間主体による少数精鋭主義)からなる機構設立準備委員会を設立し、正式な設立計画案(ステップⅠ,Ⅱ)を策定後、多くの関係者の承認を得て正式に発足する。 因みに、たたき台とする本書試案概要: ・民間主体の拠出による基金の総額:3億円 ・拠出制度の規定:1口 100万円 (但し一企業・団体最大10口) ・事業目的:社会問題の解決と安定した収益確保を両立させるPFI・社会 貢献事業推進 ・運営計画:日銭で収益を上げながら年収益倍増させる ■組織名称、所在地、事業理念、基金(拠出金受託)規模、事業運営、組織編成等は別途協議、確定次第発表する。クリック |
||
■中国人留学生(介護福祉分野)に対して、日本が保有する「介護」サービスノウハウの
「宝の山(膨大なデータベース)」を紹介・学習指導する。 ■10~20年後の「中国介護福祉」現場の改革を担う幹部候補人材育成。 |
■当面の留学生受け入れ目標・「3万人/10年間」に当たっては、各専門学校はチーム日本メンバーの1員として
連携してこれに当たる。 ■介護(福祉)士2級職・日本国家試験合格を目指して学習指導・支援する。その他、日本国内の就労斡旋・支援。 ■地域振興政策の一環として、関係機関とも連携して推進する。 |
||
■中国人留学生に対して「日本の介護福祉サービス文化」全般に触れる場を提供する。 ■中国人介護(福祉)士・2級職国家試験合格者の就労受け入れ。 ■併せて中国医療・看護・介護現場の幹部候補人材育成に協力する。 |
■受け入れに当たっては、地域振興政策等(高度医療・看護・介護サービスの集積地構築)の一環として、
関係機関との連携をはかり推進する。 ■介護現場体験を通して人材育成をはかり、併せて深刻化する介護現場の人手不足に対応する。 |
||
■介護ロボットに代表される先進的介護技術(ハード)は日本の「介護」サービスブランドのシンボルでもあるが、人材育成(ソフト)と併せてシステムとして「介護サービス・ノウハウ」をアピールする。 | ■「中国介護福祉元年」の現状にある人口13億人の巨大市場・中国が目指すべき究極の目標は「持続可能な老人介護福祉制度」。 これに対して、チーム日本が目指すべき戦略的普及展開活動は、[『(ソフト)+(ハード)』を一体化したシステム] としてをアピールする。これによって初めて中国側への全面的協力体制が整う。つまり、個別の企業努力では巨大市場を 前にして所詮、徒労に帰する。 日中双方にとって、相互互恵の関係を築くことが肝要。 |
||
■今やGDP世界第2位の輝かしい経済発展と対照的に、未だに草創期から抜け出せない中国金融保険市場にインパクトを与えることができる戦略的金融保険商品開発を 担う。現行の「社会保険機構」を補完する活動財源を生み出す下記「仕掛けの構図」の中で車の両輪の一翼を担う。 【社会保険機構】(クリック2―❷) 【仕掛けの構図】(クリック2-❹) |
■対象となる有効需要の背景: 中国に各種保険文化が定着するまでには、尚一定の長期年月を要するが、当面の戦略目標の有効需要予測(マクロ分析)は以下の通り。 (クリック2-❹) ・立上げ期: 青と 赤褐色部 ・展開期:上記2色と 緑色部 ・普及期: ピンク色部を除く全色 ・ピンク色部はナショナルミニマム対象 (クリック2-➌) |
項目 | 目的・役割 | 主要活動 | |
---|---|---|---|
■中国における日本の「介護」サービスブランド普及活動の戦略的拠点とする。 | ■日本の「介護」サービス提供事業全国展開計画推進 ■モデル都市候補選定 ■地域基幹病院との連携(ネットワーク形成) ■介護分野留学生募集・派遣窓口 ■介護分野人材育成 ■現地市場調査・活動展開計画 ■企業規模、運営方針は別途協議 |
項目 | 目的・役割 | 主要活動 | |
---|---|---|---|
■社会福祉環境インフラ整備問題は中国と同様、これ等アジア諸国に共通する課題。
チーム日本メンバー結成の最終的戦略目標は、世界人口の過半数を占める同地域諸国に対して、日本の「介護」
サービスノウハウ普及展開を通して、前出問題解決に協力すること ■3年後を視野に入れて、現行の國際厚生事業団所管の看護師・介護士研修生受入制度の抜本的改革を目指す。 |
■地域振興政策の一環として「医療・看護・介護サービス」の高度医療集積地構築構想に意欲を示す地方関係機関と連携推進する。 ■中国人留学生受け入れ問題と同様、5から10年後、自国の介護福祉分野の健全な発展に貢献し得る人材を育成することを 主眼とする。併せて、人手不足にある日本の介護現場の補完に協力して貰う。 ■更に過去、不幸にして国家試験不合格者となった研修生への救済に備える。 |
||
以上
以上
2011年3月吉日
~中国人留学生(介護福祉分野)3万人/10年間受け入れ計画推進~ |
表記テーマは、更新版「中国・未来の老人介護福祉」を具体化実現させるための第一歩とするもの。04年HPを立ち上げて活動は8年を経過するが、この間、点の存在に過ぎなかった活動の一コマ一コマがイメージの中では線となり、やがて面となり、漸く戦略的テーマとしてご表記ご案内申し上げる次第となった。 以下、活動の一コマ一コマを時系列一覧表(備考欄参照)とした。あわせて、そこから見えてくるものを総括し、日本側・中国側の双方が今後とるべき道筋を検証する。
①【新発想キャッチフレーズ主旨概要】:中国の介護現場の実態及び日中間の共通利益・戦略的互恵関係構築の道筋について
28,3兆円×10=“283兆円”。この数式は2010年度の日本の社会保障費28,3兆円に対して人口13億人・中国の対人口比・10倍として単純換算した中国の社会保障費に相当する。因みに当時、中国のGDPは日本の500兆円を僅かに抜いて世界第2位。しかし、この巨額費用・283兆円はGDPの過半数に達する。国民1人あたりに換算すれば、日本の10分の1に過ぎない。これまでは、経済成長率10%を超えて目覚ましい経済発展を遂げたが、現在は7%台にある。しかし、これが今後いつまでも維持される保証はない。安定成長領域(4~6%)に安全着陸させるのは、至難のわざ。これは正に前途多難、険しい「中国・未来の老人介護福祉」を象徴する以外の何物でもない。 日本の社会保障制度は1961年、「世界に冠たる施政・国民皆保険制度」として誕生して以来、半世紀を経て、漸く今日の老人介護福祉制度生誕10周年余を迎えることが出来た。これは高度経済成長期から低迷期を乗り越え、半世紀に亘る「幸運による歴史的、偶然の産物」以外の何物でもない。 これに対して、1990年初頭、故鄧小平翁の所謂、南方講話・「先冨論(先に豊かになれる者から豊かになれ!)」によって驚異的経済発展を遂げ、今や経済大国世界第2位・中国。しかし、気が付けば「未冨先老(豊かになる前に老いてしまう!)」。既に寝たきり老人1000万人を超える。「介護の概念」すら定着していない中国の「介護現場」」では「介護人材育成」が国家喫緊の課題となっている。 かたや「介護福祉先進国・日本」には介護サービスノウハウの「宝の山」が半ば埋もれたままになっている。これを掘り起し有効活用するために、例え表記「3万人の中国人留学生」をもってしても容易ではない。超少子高齢化社会を迎える日本としては、この「宝の山」を「宝の持ち腐れ」に終わらせてはならない。表記テーマはこのミスマッチ状態をマッチングさせる試みである。 驚異的経済発展を遂げた中国が抱える負の遺産は、昨今のPM2.5に象徴される環境汚染・破壊問題等、他にも数多取り残されている。中国は今、かつて日本の高度経済成長期、40~50年前と同じ道を辿っているのである。日本は超少子高齢化社会を迎えようとしているが、中国も同様、やがてそうなるのは時間の問題である。これ等の影響は人口13億人、広大な国土に波及しており、その歯止めは掛かっていない。その深刻度は増加の一途を辿っている。 これ等国家喫緊の課題の解決に残された時間的猶予は少ない。肝要なことは今すぐにでも、13億国民が「安心と希望が持てる社会の未来図」を提示すことである。現在20才代、30才代、40才代、50才代の各現役世代のために…、例え20~30年先の未来図であろうとも…。さもなければ、国民の不満が爆発してしまうであろう。悪夢の再来「文化大革命」のように…。 この様な状況にあって、日中友好関係は「尖閣諸島問題」に端を発して、更には昨今の安倍首相の「靖国神社参拝問題」によって過去最悪の状況にある。この政治的閉塞感漂う今こそ民間外交の出番である。この閉塞感を打開するのは、これまでに培ってきた日中民間交流(外交)によるしかない。 私は独りの日本人老人に過ぎないが、ご縁あって過去10年来、「中国人老人のための未来図」を模索し続けてきた。その結果、冒頭の数式・(28,3兆×10=283兆円)が象徴する前途多難な道のりを乗り越える道筋を漸く見出すことが出来た。表記・「新発想キャッチフレーズ」は、その糸口となるものである。 下記構図(1)~(14)に基づきこれを検証する。これは私からの中国国民へのメッセージでもあるが、同時に日本国民へのメッセージでもある。ご参照頂ければ幸甚である。
②【検証】:「中国介護現場の実態」と「日中共通の利益・戦略的互恵関係構築の道筋」を検証する構図(1)~(14)について(1)中国の社会保障制度改革変遷の歴史概括図表 | (2)発想の原点 新しい仕組みの創設と現行制度併存の概念図 クリック②-❶、❷参照) |
|
|
(3)財源を生み出す「仕掛けの構図」 (クリック②-❹参照) |
(4)多拠点一元管理構図 (HP-クリック②-❺参照) |
|
|
(5)有効需要の背景 (クリック②-❹参照) |
(6)新しい仕組みの機能・効果: PFI累積額と介護活動費 シミュレーショングラフ (クリック②-❸参照) |
富裕層・中間層の実態調査資料図表 ・立上げ期: 青と 赤褐色部 ・展開期:上記2色と 緑色部 ・普及期: ピンク色部を除く全色 ・ピンク色部はナショナルミニマム対象 |
|
|
|
(7)シミュレーション試算ベースⅡ (クリック②―❻参照):展開期、普及期の民間保険商品を財源の主力とする場合 |
(8)スマイルカーブ考察 (クリック⑥参照) |
中国・社会福祉環境インフラ整備事業の特性評価 |
|
|
|
(9)地域ぐるみ活動とその展開: 介護・看護・医療サービスネットワークの 基本パターン (クリック②-❽参照) |
(10)日中経済交流圏 (斜線印部 三-1-1) 新展開シナリオイメージ構図: |
|
|
(11)介護人材育成工程表 (クリック③-2参照) |
|
(12)中国人留学生(介護福祉分野)受け入れを阻む法務省省令 |
法務省 出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令 (平成二年五月二十四日法務省令第十六号) 最終改正:平成二二年一一月三〇日法務省令第三九号 法別表第一の二の表の医療の項の下欄に掲げる活動 一 申請人が医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、歯科衛生士、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士又は義肢装具士としての業務に日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けて従事すること。 二 申請人が准看護師としての業務に従事しようとする場合は、本邦において准看護師の免許を受けた後四年以内の期間中に研修として業務を行うこと。 三 申請人が薬剤師、歯科衛生士、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士又は義肢装具士としての業務に従事しようとする場合は、本邦の医療機関又は薬局に招へいされること。 ★コメント★ 医療関連14職種(医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、歯科衛生士、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士又は義肢装具士)中から、介護職種だけが欠落している。これが「利権の構図」を生む背景となる。 |
|
(13)「介護」サービスブランド・チーム日本結成((四)参照) |
|
(14)プロジェクトを支える五大要件 (クリック②-❾参照) |
|
年月 | 活動項目 | 適用 |
---|---|---|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
備考:
※1:発想の原点・中国介護福祉元年概念図表(クリック2)図表❶,❷より
❶中国の社会保障制度改革変遷の歴史概括図表 |
❷新しい仕組みの創設と現行制度併存の概念図 (コンセプト) |
※2:過去の累計総額はおよそ3兆円にもなる対中国ODAは、日中友好促進の原動力ともなったが、「政冷経熱」の状況下、小泉政権下の大英断により、これを廃止、同時に以下の2点を基本方針とする新機軸政策を打ち出した。具体的計画は今後進める予定。
① 開発の進んだ沿海部を除く、開発の遅れた西部及び東北部(3省)の内陸部を対象とする。
②「物づくり」ではなく「文化・教育関係の交流促進(所謂、人材育成)」を図る。
※3:基調講演者の一人が偶然にも前述ODA実施部門・JICA(中国・北京駐在)の担当者であったことから、早速、主催者の千葉大学広井教授を介して面会を申し込むが、残念ながら希望かなわず。その後の経過は後述※8参照
※4:「今般の輸入許可証発行不認可措置」は、正に中国社会の理不尽な現状を象徴するもの。障害となった「右ハンドル車輸入禁止条例」は、船積み出荷直前に発令されたもので、これに対処するため急遽、大連市長宛て「陳情書(特殊車両扱い)」を提出し、承諾受理された経緯がある。本来、この規制条例趣旨は「国産車メーカー保護」することにあり、陳情趣旨がこれに何等抵触するものではなく、大連市政府当局の対中央政府との交渉手腕に期待していたもの。因みに、当時の中国政府の主管部門・商務部長は,かつて大連市長の薄熙来氏。しかし彼は、現在の中国を象徴する巨額贈収賄による衝撃的事件にて失脚したことは記憶に新しい。
※5:同資料編は中国・長江デルタ地域の老人の生活実態を現地調査した貴重にして膨大な学術資料。この資料の編集主査を務めた陳暁嫻さんが所属する「人間環境学研究室」は、介護福祉を含む都市工学、地域振興政策論など様々な学術分野から構成される、所謂「学際的」な新学術分野。生憎、中国の現在の社会環境では、将来の「中国・未来の老人介護福祉」を担うために不可欠な前途有為な人材を受け入れるニーズがなかった。これは「日中間における介護現場の人材育成需給ミスマッチのはじまり」でもある。大学卒業期を迎えた彼女はやむなく、堪能な日本語能力(留学生全国弁論大会優勝者)を請われて故郷・中国蘇州市港湾局保税区管理部に勤務(日本企業誘致業務《通訳》担当)。その後の連携活動経緯は※9参照,※10参照
※6:入手した新聞情報を確認するため直接、旭川市役所へ電話を入れた。プロジェクト計画は最終段階で国からの許可を得られず、プロジェクトチームは既に解散し、事業は左記事業団へ移管されていたことを知る。まさか、これ等の団体が後に、「得体の知れない利権集団の正体・『元凶』」となろうとは知る由もなかった。「フィリッピン、インドネシア等外国人看護師・介護士研修生受け入れ問題」は、09年以降、大きな社会的問題にもなった。若し本来の旭川市と三井物産の共同プロジェクト・「旭川リサーチパークプロジェクト」が国の認可を受けていれば、今日、事態は大きく変わっていたであろう。国はどのように責任を感じているのであろうか。世の中、“捨てる神あれば、拾う神あり”。市場の条件次第では、これ等プロジェクトは民間主導で解決可能であることの証左となったことが、せめてもの救いである。同プロジェクトは今後、「外国人看護師・介護士研修生受け入れ問題の原点」として重要な意義をもつことになろう。
※7:同大学は医学系専門大学としては中国NO1の存在であるが、日本語学科も併設している。同医師は日本の老人介護施設事情にも精通しており、中国における介護事業の必要性について意見を共有することが出来た。
※8:意見交換は不調に終わったとは言え、思いがけない収穫もあった。それはJICA助成事業に採用されたことへの表敬訪問のため、団長として北京・日本大使館へ同行した旭川荘事務局幹部の方から、“実は、「コマツライジングさん」のことは同大使館でお話を聞かされていました”の一言があった。この背景には、冒頭④項に述べた千葉大学広井教授のご厚意の配慮があったからこそと、改めて感謝する次第。折しもこの時期、北京・日本大使館の主要テーマは胡錦涛主席訪日日程計画であった筈、「介護福祉先進国・日本」をアピール絶好のチャンス、「検討の俎上」に挙げるだけでも意義があったのに…。JICA助成事業を受ける側の日本・中国双方の当事者には、ODAは日本国民の税金によって賄われていることの自覚が希薄。過去、総額およそ3兆円超とも言われる対中国ODAに対して、中国から感謝の念を表す言葉は一言もない様に…、見えてくるものはODAに群がる日中当事者の「利権の構図」だけ。この様なことでは、例え5000万円と言え、その効果は“二階から目薬”になることを懸念せざるをえない。今後,国民の前で検証されなければならない問題。
※9:これを機会に、「ポスト“モデル都市大連”」を念頭に、新たに「モデル都市“蘇州構想”」実現に向けて意見交換。
※10:因みに、日中笹川医学奨学金制度を例に挙げれば、1986年、日本財団と中華人民共和国・衛生部との間で協定書締結され、以後20有余年継続している。輩出した医学研修生は年間100名、東京大学・京都大学・大阪大学等日本全国有名大学で研修を受けた総数は2千数百人に及び、奨学金の総額は30億円に達する。彼等は今日、中国の医療分野で幹部として活躍しており、中国全土に「笹川同窓会」なるネットワークをもつ。
※11: 同シンポジュームに参加して大きな収穫があった。それは、日本人でありながら「中国・未来の老人介護福祉」を思考する私の立場と、「超少子高齢化社会・日本の未来」を思考する立場はプラットホーム(共通基盤)を共有していることを理解できたことである。それは日中間にとどまらずASEANをも含むことになる。シンポジュームにはマスコミ各社も参加しており、これを契機に、外国人看護師・介護士研修生受け入れ問題が『大きな社会問題』としてとりあげられるようになった。この間、同シンポジュームが果した意義は極めて大きい
※12:実は、笹川同窓会理事長の立場にある中国医科大学・趙群学長宛ての書簡を、笹川同窓会在日連絡会々長・袁世華会長に託したのだが、事情を聴くと同学長は目下米国出張中にて多忙を極めている由、事業計画は急がねばならないことから、急遽、袁世華会長の人脈を頼りに、同会長の出身学校・長春中医薬大学へ変更した。二人の関係は笹川同窓会の第1期生とその後輩の朋友同志。
※13:A短大に留学中の二人の中国人学生は、このままでは就労させられないことが分かり、急遽、転校させられていた。B県立大の三人の中国人学生はそのまま在籍させている(就労出来ない事情を知りつつも…)。C福祉大学では、募集要項には明確に募集案内しているにも拘らず、応募があると、就労不能を理由に、彼等を他の学部へ変更するよう勧誘している。これ等学校関係者の話から、この時点で初めて、中国人留学生(介護福祉分野)の場合、たとえ国家試験に合格しても就労できないと言う法的な規制事情があることが分かった 。しかし、彼等自身からは、積極的に文部・厚生労働行政上の規制改革を求める姿勢や意欲は見受けられない。少子化の中、一人でも多くの学生を募集したい学校の事情があるのに…、何故か?すべては「お上(政治・行政)まかせ」の実態を見た。私自身が直接、法務省、厚労省へ出向いて事情聴取するしかなかった。
※14:交通事故による高いリスクを抱える車両関係のリース事業の実情はまだテスト段階。上海近郊の日系企業への数十台程度にとどめている由。遠隔地の長春市地域での自動車リース事業への展開は期待出来ない。介護人材問題と合わせ、「長春中医薬大学との事業提携問題」は見直さざるをえない。
※15:彼等学校関係者が言う“厚労省は消極的、法務省は積極的”の通り、法務省職員はパソコンを開いて省令を丁寧にダウンロード説明してくれた。そこで初めて「出入管法第7条第2項」の存在を明確に確認できた。この障害を乗り越えるため早急に、HP改訂版作成準備に取り掛かることを決断した。
※16:シンポジュームには偶然、三井物産の方がコメンテーターとして列席されており、前述⑨項・「外国人看護師・介護士研修生受け入れ問題の原点」へのアプローチの手掛かりを得た意義は大きい。今後の活動展開の課題とする。
※17:冒頭・戦略的テーマの趣旨は、「介護先進国・日本」がこれまで培ってきた介護サービスの「宝の山」と、中国介護現場の喫緊の課題・「介護人材育成問題」をマッチングさせることにある。そもそも「ミスマッチ」とは、マッチングさえ出来れば本来の姿を取り戻す状態を言う。
※18:趣意書を一言にするならば、下記主要3グラフから構成される「《三》クリック2」を検証することにある。私の試案では設立当初の「機構基金の規模は3億円」。以後、日銭で収益を上げながら年単位でこれを倍増運営・達成する計画。そのために先ず「機構設立構想主旨」に賛同して下さる協賛者(A,B,C…)の承諾を仰ぐこと。次に万人に認められてしかるべき座長(X)の選出・承諾が大前提。「周到な準備」があってこそ、初めて関係方面へ広く呼びかけることが出来る。
①新しい仕組みの創設と現行制度併存の概念図 | ②PFI累積額と介護活動費シミュレーショングラフ:新しい仕組みの機能と効果 | ③財源を生み出す仕掛けの効果 |
※19:「中国老年服務教育連盟総会」発足(於天津、11/10/22)。新たに「介護人材」を育成するための試みとして、既存の職業訓練専門学校に「介護カリキュラム 」を創設するための全国的組織総会となる。正に「中国介護福祉元年」のゼロからのスタートとなる。偶然にも、本提唱;キャッチフレーズ・「日中間における介護現場の人材育成需給ミスマッチの解消」と合致する。この貴重な情報は、「中国人留学生(介護福祉分野)3万人/10年間受け入れ計画推進」の実現を熱望する一人の中国人女性からのメールアクセスからであった。彼女は「国際医療福祉大学大学院」を卒業し、左記会社で介護関連業務に従事している。
※20:上記連盟総会発足と連動する重要な意義をもつ某女子大学主催シンポジューム。魅力的なテーマに期待して出席したのだが、討議された内容は下図に示す通り、シンポジュームの趣旨からは全く逸脱しており、問題の本質を見失っている。これは日本、中国の企画当事者間の意思疎通の在り方に問題があったのであろう。「医療ソーシャルワーカー」の洒落た言葉に惑わされて…。「日中間の介護現場における典型的なミスマッチの例」を解消する絶好のチャンスであったにも拘らず…。しかも、「日本側の助成事業」であれば尚更のこと…。今後、「関係方面の日中間のミスマッチの解消」に向けた努力がなされなければならない。
【某女子大学主催シンポジューム(12/2/25)に関する感想要覧】 |
|
※21:09年から継続された総集編シンポジュームは、如何に意見収斂されたのであろうか、以下2点、私見をまじえて総括する。
①外国人看護師・介護士研修生受け入れ問題について: |
|
②移民問題について: 外国人労働者受け入れによるGDP引き上げ効果について 笹川モデル・図2より |
|